ギタリスト 竹内永和さんへのインタビュー  


Q・・・ギターを始められたきっかけは何ですか、そして、それはいつごろですか?
僕達の子供の頃は、映画「禁じられた遊び」が大ヒットして、空前のクラシックギターブーム
だったんですね。 そして昭和40年代の前半にNHKの教育テレビでギター教室が始まり、
毎週楽しみに見ながら、少しずつ練習していきました。 
当時は、子供用の小さいサイズのギターは無かったですから、普通サイズのギターで、
左手をたくさん開かなくてはならず、練習は大変でしたね。

Q・・・クラシックだけでなく、色々なジャンルの音楽を演奏なさるようですが、
    どのようなものをなさっていらっしゃいますか?
大学在学中から演奏活動を始めたので、一般のお客様にも分かり易い、
映画音楽やポピュラーのスタンダード・ナンバーなども早くから演奏してきました。
川越のライブハウス「ページワン」に出演し始めた頃からは、ボサノバなども
よく演奏するようになり、自分のアレンジも自然とたまっていったのです。
ボサノバ奏法は、コード・カッティングが独特で難しいのですが、
バーデン・パウエルのレコード等をよく聞いて少しずつ身に付けていきました。
また、10年程前にタンゴ・ヴァイオリンの喜多直毅氏と出会ってからは、
デュオでピアソラ作品等を弾くようになり、現在その喜多氏をリーダーとする
5重奏団「タンゴフォビクス」では、本格的なタンゴギターの奏法を研究して、
様々なタイプのアルゼンチン・タンゴをレパートリーにしています。


Q・・・現在の活動の中心はタンゴですか?
いえ、タンゴを演奏する機会は確かに多いのですが、ソロからアンサンブルまで、
いろいろなスタイルで演奏しています。
ソロでは、映画音楽やボサノバを、ピアノの下森佳津美さんとのデュオではクラシックや
オリジナル曲を演奏している他、オカリナの本谷美加子さんのコンサートツアーに参加したり、
歌、フルート、ヴァイオリン、コントラバス等との共演、サロンオーケストラ・ジャパンへの参加等、
様々な形で演奏活動を行っています。

Q・・・ジャンルによってギターを替えて演奏するのですか?
基本的にはひとつのギターで演奏しますが、楽器を何本か持っているので
(フランス、スペイン、日本製、etc)いろいろな状況に応じて自然と使い分けしているかも
知れませんね。

Q・・・いままでにヴァイオリンとのデュオを演ったことはありますか?
そうですね、早くから室内楽をやる機会が多かったので、たくさんの方と
共演して来ました。今、札響のコンサートミストレスをしていらっしゃる
菅野まゆみさんを始め、クラシックの方とはパガニーニやジュリアーニなどのオリジナルを
中心に、ポピュラーを演奏される方とは、スタンダード、ボサノバ、ラテン、タンゴ等様々な
ジャンルの音学をアレンジし演奏してきました。

Q・・・ギターとヴァイオリンのデュオはどう思いますか?
古典から現代に至るまで、この組み合わせのためのオリジナル曲がたくさんありますし
例えばフルートとギターの為に書かれたピアソラの<タンゴの歴史>
が最近ヴァイオリン&ギターで頻繁に演奏されるように、弦楽器同士という相性の
良さから、今後益々レパートリーが開拓されていくような気がします。


Q・・・CDを2作出されていますが、今後CDのリリースのご予定は?
ピアノの下森佳津美さんと、ピアノとギターのデュオ・アルバムをリリースする予定
です。マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコの<ファンタジア>という曲を中心に”夢”や”幻想”
をテーマにした曲を集めた内容になると思います。



インタビュアー 硲 美穂子(2003年7月)

  

ギタリスト;竹内永和さん


何度かヴァイオリンとギターのデュオで
ご一緒いたしました。
物静かなお人柄ですが、一旦ギターを持つと
情熱的な演奏とロマンテイックな一面が聴衆を魅了。